奈良時代に僧行基(ぎょうき)によって開創されたといわれている。甘南備山にあった甘南備寺は、交通不便で保護も困難であったため元禄2(1668)年に現在の地に移された。もともと真言宗だったが、移転の際、黄檗宗に変わった。ご本尊である薬師瑠璃光如来坐像は、比叡山の僧・慈覚大師の作と伝えられ、高さ86?、一木造り、重厚味のある藤原前期のものである。「耳石」といわれる穴のあいた石を備えて病魔を退散させる風習がある。今昔物語の「山城の国神奈比寺の聖人、法華を誦して前世の報いを知りたる話」 綴喜郡の飯岡の西北に甘奈比寺という山寺があり、一人の僧が住んでいた。この僧は日頃からこの寺を去って、都の大寺に行きたいと思っていた。ついに行こうと決心した夜の夢に、この寺の薬師如来が老僧となって現れ、「汝の前世は、この寺の土中に住んでいたみみずで、法華経を毎日聞いた功徳によって、人間に生まれ代ってこの寺で法華経を誦している。この寺に縁のある身である…」ことを諭された。そこでこの僧は、生涯この寺に留まったという言い伝えが残っている。
寺・神社
甘南備寺
Kannabi Temple
"In Nara era priest Gyouki erected this temple. Kannabi temple stood in Kannabi mountain which was inconvenient for preserving. so it was moved to the present place in Genroku 2.Jikakudaishi who is a priest of Hiei mountain made Yakushi-jyoururikou-nyorai-seated statue which is the idol of this temple.It's 86 centimeters in height and made by Ichimokudukuri,and it looks dignified.There is customs to store the stone(it have a hole)which called Mimi-ishi exorcize illness."